私がこのプログラムを創った理由
私には、二度の留学経験があります。
14歳の時に家族でアメリカに、その後17歳の時に単身でノルウェーに約1年ずつ留学しました。今までと異なる常識に触れること、自由に触れること、違う形の政治に触れること、家族に触れることは、とても面白いものでした。でも同時に、外国の生活は結構大変だということにも気が付きました。
ノルウェーから帰国し、私は障害になるほど重いうつ病を発症しました。今でもその治療を続けています。原因は私の家族環境がとても悪かったことです。それが外国での生活により問題が浮き彫りになり、帰国後、さらに逆カルチャーショックが重なり消化することができず、病気という形で発症しました。
それから30年、うち20年は毎週カウンセリングに通いながら、外国での体験とそれまでの体験を消化してきました。私がノルウェーでの体験を消化できたなと思ったのは、ここ数年です。
外国に留学に行くというのは、リスキーな体験です。不慣れな場所で、言葉が不自由で、人間関係もゼロから作らなければなりません。その中で、否応なく自分に向き合う必要があります。さらに、帰国後は二重の価値観を自分の中に抱えながら、なかなか理解の得にくい状態で、再度自分の居場所を作らなければなりません。私のように障害が残るほどなのは特殊なケースだと思いますが、程度の差があれ、自分の問題にさらに向き合う経験は、他の留学生でも多くが体験していることでした。
しかし、それらの体験は、視点を変えるととても素晴らしいチャンスだと考えています。自分の課題や、居心地の悪さにシンプルにすっきり向き合い、解決するための時間を創るチャンスだと思うのです。きちんとサポートがあれば、このプロセスは課題が大きいだけに、実りもとても大きくなります。そう思って創ったのがこのプログラムです。
プログラムの最初の参加者Risaさんは「幸せが何か知りたい」と言って、ノルウェーに行きました。ノルウェーに行きたいと思った時、Risaさんはそんなに幸せではなかったのではないでしょうか。 帰国半年後、彼女は「幸せな時間がとても多くなった」と話します。この3年間のプロセスの中で、Risaさんは、自分の手で、自分の幸せを創りました。
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